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電気自動車用エアコンの種類と特徴

 電気自動車のエアコンには、コンプレッサをモータで駆動するクーラと電気ヒータとによるシステムが一部に用いられているが、今日では、暖房時の省電力の観点から図5.149のモリエ線図(p−h線図)に示す、 ヒートポンプサイクルによるシステムが主流となっている。これは、電気ヒータの効率(入力に対する出力の比)が1に対し、ヒートポンプの効率(成績係数、COP:coefficient of performanceともいう)は通常2〜3得られることによる。

 このヒートポンプによるシステムは基本的には図5.150に示すルームエアコンで使われているものと同様のもので、インバータで電動コンプレッサを駆動制御し、冷房、暖房、除湿などを行う。


標準地向けヒートポンプシステム

 外気温度がおよそ−5℃以上の地域には一般的なヒートポンプを使用することができる。図5.151に四方弁を用いたヒートポンプシステムの例を示す。冷房時はコンプレッサから吐出された高温高圧冷媒を四方弁により室外熱交換器に流して放熱後、 絞りで減圧しHVACユニット内のエバポレータ(蒸発器)で吸熱する。暖房時は四方弁を切り替え、冷媒をHVACユニット内のコンデンサに流して放熱し、室外熱交換器は蒸発器として作動させる。また除湿をする場合はHVACユニット内のコンデンサ、 暖房用絞り、室外熱交換器、冷房用絞り、エバポレータなどの順に冷媒を流し、空気を冷却除湿した後に過熱を行う、いわゆるリヒート方式としている。

 ここで、HVACユニット内にコンデンサ、エバポレータと2個の熱交換器を放置しているのは、上述した除湿機能を働かせる目的のほか、もう1つのねらいがある。一般的なヒートポンプ式のルームエアコンでは室内に1個の熱交換機器を持ち、冷房時は蒸発器、 暖房時は凝縮器として働かせているが、車両用のエアコンをこの方式にすると冷房運転をした後に暖房に切り替えた時、熱交換器に凝縮していた水が蒸発し、窓ガラスを一瞬にして曇らせる。そこで、安全上の理由からコンデンサとエバポレータを2個独立に 配置している。










出展
書名 電気自動車ハンドブック
著者 電気自動車ハンドブック編集委員会 編
出版 丸善株式会社 (URL http://www.maruzen.co.jp)