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電気自動車のエアコン

エアコンの機能と特徴

自動車のエアコンは四季を通じて車室内を快適にすると共に、窓ガラスの視認性を確保するために、冷房、暖房、除湿、および窓ガラスのデミスト。デフロスト機能を果たしている。

電気自動車はエンジンがなく、一般的には、走行モータやバッテリの発熱も小さいため、電気自動車のエアコンのエネルギー源はメインバッテリに蓄えられた電気エネルギーのみである。 したがって、エアコンの消費電力が一充電走行距離に大きく影響する。よって、電気自動車のエアコンには、極力少ない消費電力で、快適性と窓ガラスの視認性を確保することがもとめられる。

車両熱負荷と必要冷暖房能力については内燃機関自動車と同様であるが、図 5.147に示すように、外気温度の低い暖房時に特に大きな能力、言い換えれば消費電力が必要になる。 これは、暖房時には窓ガラスの曇りを防止するために絶対湿度の低い外気を導入する外気モードにしているからである。

車両熱負荷の低減

1) 暖房時の熱負荷低減
特に低外気温時に大きくなる暖房時の熱負荷を低減するための手段として、熱源の少ないハイブリッド車や高効率の内燃機関自動車でも使用されている内外気2層タイプのHVAC(heating ventilation and air-conditioning)ユニットがある。
図5.148に示すユニットは電気自動車用のもので、通風路を上下2層に分け、上層は低湿度の外気を導入し、コンデンサ(凝縮器)で過熱後、DEF吹出し口から窓ガラスに沿って吹出し防曇する。下層は内気を導入し、コンデンサで過熱後、 foot吹出し口から吹出し室内を暖房する。この内外気2層ユニットにより、外気割合を約1/4〜1/2に、暖房時熱負荷を約1/2〜2/3にすることが可能で、エアコンの消費電力を大きく低減することができる。

2) 冷房時の熱負荷低減
通常内気モードで使用する冷房時の熱負荷のなかで、その約半分がガラスからの日射透過による。
この日射による熱負荷低減策として、熱線反射ガラスや熱線吸収ガラスがある。これらのガラス使用により、日射による熱負荷をおよそ50%以上低減することができる。









出展
書名 電気自動車ハンドブック
著者 電気自動車ハンドブック編集委員会 編
出版 丸善株式会社 (URL http://www.maruzen.co.jp)