図2はアクセルの踏み代をパラメータとした電気自動車のモータトルク制御特性の一例であり、基本的にはアクセルの踏み代に対して比例してトルクを発生しており、高速ではエンジンブレーキ相当の負のトルク(減速トルク)を発生させている。
モータは磁束ないし電流の方向を変えることで逆方向に回転させることができるため機械的なリバースギアは必要としない。しかしながら変速機を持たない電気自動車は後退時には速度の制限を制御的に設けることが望ましい。
また進行方向と逆向きに下がる(上り坂で後退方向に下がるまたは逆)時にも進行方向のトルクを発生させる必要がある。
以上より電気自動車の駆動モータが必要とする特性はいわゆる4象限運転特性であり、また前進方向と後退方向への制御を別に分ける必要があること、またアクセルに対する制御特性をもたなければならないことがわかる。図3は電気自動車のトルク特性の一例である。
整理すると電気自動車のモータ及びモータ制御で持つべき特性は
- トルク制御可能なこと
- 低回転時一定トルク特性
- 高回転時一定パワー特性
- ゼロ回転時のトルク発生
- 減速時の負トルク発生(エネルギー吸収)
- 回生機能
- ロールバック時トルク発生
一方モータ制御とは別に車両の制御としてアクセル及び前後進切り換えに対して持つべき機能は
- アクセル踏み代に対するトルク制御特性
- エンジンブレーキ特性(特に高回転での特性)
- クリープトルク発生(絶対必要ではないが)
- 前進・後退切り換えとトルク特性切り換え
となる。
出展
書名 電気自動車ハンドブック
著者 電気自動車ハンドブック編集委員会 編
出版 丸善株式会社 (URL http://www.maruzen.co.jp)
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