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スイッチトリラクタンスモータ

スイッチトリラクタンスモータ
スイッチトリラクタンスモータ(以下SRモータ)は、VR(variable reluctance)モータとも呼ばれ、1838年にDavidsonにより最初のモデルが製作された。原理的に回転子に永久磁石や巻線がなく、モータ構造が簡単で安価、機械的に堅牢、また、回転子の発熱問題がない。永久磁石の熱減磁の問題がなく高温での運転が可能といった特徴を持っているが、その実現には高度な電流制御が要求され、当時の電子技術では大砲の台座を駆動する程度の性能しか出なかった。1950年代には、ステップモータとして製品化されているが、振動、騒音の問題によりモータの主流とはならなかった。近年は、シュミレーション技術や制御技術の進展により、極形状・巻線の最適設計、駆動電流の波形制御などによる改良提案がなされ、SRモータが大量生産に向き、低コストで信頼性に優れたモータとして、電気自動車用に注目されている。



SRモータの基本構造と作動原理

SRモータはステータ、ロータともに突極構造を有し、各ステータの突極に集中巻された巻線にロータの位置情報に基づいて電流を供給して生ずる連続的な磁気吸引力により回転運動を作り出す。

図5.5はSRモータの基本構造と作動原理を示したものである。同図はステータに6つの突極を持つ3相式の6極ステータ×4極ロータ(6/4構成)の例である。ステータは積層した電磁素鋼板で構成されている。

図5.52の状態@においてステータIとI'のコイルに通電すると磁力が発生し、ロータaはステータIに吸引され、ロータcはステータI'に吸引されて時計方向にトルクが発生する。ロータの突極aとステータの突極Iが完全に重なる位置になると(状態A)、磁気回路のリラクタンス(磁気抵抗)が最小になり、吸引力は径方向のみとなって、トルクはなくなる。ここで、ステータ突極IIとII' のコイルへ通電を切り換えるとロータ突極dはステータ突極IIに吸引されて時計方向に回転する。さらにロータ突極dとステータ突極IIが重なった時に(状態B)ステータ突極IIIとIII'のコイルへ通電を切り換えるとロータ突極aはステータ突極IIIに吸引されて時計方向に回転していく。

このように、SRモータは、ロータの突極が近づいてきたステータのコイルに通電を順次切り換えることにより、ロータを回転させている。











出展
書名 電気自動車ハンドブック
著者 電気自動車ハンドブック編集委員会 編
出版 丸善株式会社 (URL http://www.maruzen.co.jp)