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ニッケル水素電池

特徴

密閉型ニッケル-水素蓄電池は、使用している電極材料、水溶液電解液や構造に起因して、二次電池として優れた特徴を有している。

放電特性

負極に用いている水素吸蔵合金は、活物質である水素を多量に高効率に吸蔵・放出でき、しかも水素化カドミウムの2倍程度の比重を有するため体積エネルギー密度はニッケル-カドミウム蓄電池の1.5〜2倍以上になる。開発当初の体積エネルギー密度は175Wh・dm-3(4/5Aサイズ)であったが、約10年で2倍の350Wh・dm-3まで向上させている。この高エネルギー密度化は、水素吸蔵合金や正極活物質の高性能化に加え、有効反応体積の増加、活物質充てん量の増加など、機構設計面の改良により達成されている。電気自動車やハイブリッド車に用いるニッケル-水素蓄電池は、自動車用として要求される性能を満足させるねらいから主として機構設計面の工夫がなされているため、体積エネルギー密度は150〜170Wh・dm-3程度に抑えられている。

また、この電池系は異なる充電状態(SOC: state of charge)で安定した出力特性を示す。これは、幅広いSOC範囲で、正極と負極の固相内のプロトン拡散が早いこと、正極活物質や負極の水素吸蔵合金表面の活性化分極特性が変化しないこと、電解液濃度が一定であることに起因する。さらに、大電流放電を行った場合、正極と負極の活性化分極は小さく、高濃度のアルカリ水溶液を電解液に用いているので濃度分極もほとんどないため、電池設計条件を工夫することにより高出力化が可能である。