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電気自動車の歴史

電気自動車の歴史は1873年に英国人ロバート・ダビットソンが実用的な電気自動車を製造したときに始まる。米国での電気自動車保有台数のピークは1900年頃にあり、約4000台の自動車生産のうち電気自動車はその約40%を占めていた。当時は、自動車レースでも内燃機関自動車を抑え花形であった。その後、内燃機関自動車の急速な技術進歩により電気自動車の利便性が失われ姿を消した。
日本では、明治末期に初めて電気自動車が輸入され、1911年に「日本自動車(株)」が電気自動車を試作した。第二次大戦後の1949年には電気自動車の普及台数が3299台となり、普及率が自動車全保有の3%シェアに達した。しかし、ガソリン不足が解消するとともに電気自動車は影をひそめてしまった。

その後、モータリゼーションの進展に伴い、大気汚染が深刻化し始めた1960年代になり電気自動車の開発が再開された。1971年には通産省工業技術院により電気自動車の大型プロジェクトが開始され、日本の電気自動車技術を大幅に向上させた。1976年には普及の核として(財)日本電動車両協会が設立され、電気自動車普及の期待が大きく膨らんだが、1980年以降は内燃機関自動車の排出ガス浄化技術の進歩により大気汚染問題およびエネルギー問題も一段落し、また、電気自動車は忘れられた存在になった。

さらに、1990年代になり、都市公害、地球温暖化が社会問題化し、また、米国加州でZEV規制は制定されたことにより、電気自動車の開発が再開された。1996年には今までの電気自動車とは性能が格段に向上した第2世代と言われる新しい電気自動車が登場し脚光を浴びるようになってきた。今までの電気自動車(第1世代)が指摘されていた多くの課題を解決したものであるが、価格が依然高いことから大量販売には至らなかった。そんな中で1997年ハイブリッド乗用車が発売された。価格も電気自動車に比べると大幅に安価であったため、販売目標台数を上回る発注があり、生産台数を半年後には倍にするほど売れるようになった。それに並行して燃料電池車の開発が世界的に盛んになり、21世紀初頭には限定的ではあるが市場に導入される見込みとなった。

最近では、電気自動車の活躍の幅を広げる方策として、超小型の電気自動車を生活に密着した地域内でITSと組み合わせて共同利用する実証実験が開始された。フランスではプラキシテルというEVレンタル事業が1997年10月より開始され、日本では1988年から本田技研工業がICVS(intelligent community vehicle system)の実験をし、1999年からは国により横浜市、稲城市などで実証実験が開始された。

出展
書名 電気自動車ハンドブック
著者 電気自動車ハンドブック編集委員会 編
出版 丸善株式会社 (URL http://www.maruzen.co.jp)