東京モーターショー2003 −乗用車・二輪車−
第37回東京モーターショーが10月24日〜11月5日までの13日間の日程で千葉県幕張の幕張メッセで開催されている。新体制となった自工会が「いま、挑む心。Challenge
& Change −希望、そして確信へ−」のテーマのもと、"参加・体験型"で"双方向的なコミュニケーション"を提供する新しいモーターショーを目指して、二年に一度の車の祭典が開幕した。今年は日本を含む14カ国から263社、4政府、1団体が出展している。
電気自動車−EV−
It's EVとしてまずチェックしたかったのはEV。今回EVの展示車両は他の低公害車に比べて希少であった。しかしながらそのどれもが個性的かつ印象的に会場で自らを主張していた。注目したのは日産の参考出展「JIKOO」とトヨタのコンセプトカー「PM」。JIKOOは小型2シーター。伝統と未来がスタイリッシュに融合した姿から、JIKOOがEVだと気付かない来場者も多い。未来を先駆的なイメージでとらえがちな現代において、伝統的表現や技法がこんなにも新鮮に未来を形どるとは!と、嬉しい発見だった。PMは先進的1人乗りEV。愛嬌あるスタイルが親近感を感じさせる。走行状況によってホイールベースが変化し、キャビンの位置が動くのは斬新。その変化を活かし安定した走りと扱いやすさが可能となっている。1人用コミューターならではの未来型だといえる。
「見てみたい」や「あったらいいな」が現実となって目の前に登場した今回のEV。EVの今後のチャレンジに期待したい。
車両展示−Environmentally Friendly Vehicles−
今回の車両展示は環境技術を駆使した車両がずらりと並んだ。なかでも燃料電池とハイブリッド車の展示がかなり多かった。参考までに2年前の第36回東京モーターショーの記事を見てみた。今回各社の主力展示となっている燃料電池・ハイブリッド車は、「まだまだ先の車の話ですが…」といった感じであったものが、2年の間にここまで実現しようとは!と技術革新の速さに驚いた。
今回は多くのハイブリッド車やそのカットモデルの展示、ハイブリッドシステムの働きを実物と電飾を使ってわかり易く解説するなど、従来よりもハイブリッド車を身近で現実的な存在に感じられるような展示のしかたになっており興味深かった。
燃料電池は普及までには課題が多いという感が否めないが、大臣認定済みの燃料電池車の展示も多くみうけられ、燃料電池車もそう遠くない未来に、まずは公共のバスなどとして利用できる日がくるのではないかと思った。
特別企画
今回のモーターショーは、来場者の視点からの企画が多く取り入れられていた。中でも人気だったのが、クリーンエネルギー車の同乗試乗会である。時間によって整理券が配布され試乗のチャンスを得られるのだが、どの回もかなりの盛況ぶりであった。
また、特設ステージや国際会議場では、環境、安全、デザイン、新技術など18のテーマからシンポジウムやフォーラムが開催されている。その他には、従来のモーターショーとは違う新しいスタイルを、と今回カロッツェリア展示が設けられていた。
ここには約30台がおしゃれに展示されており、併設されていたカフェはモーターショーの雰囲気を存分に楽しみながら休憩できる場所として人気だった。
Challenge & Change
現在自動車業界が取り組んでいる環境問題、安全問題、車とITとの関係などについて、各社様々な方法で自社の取り組みを、わかり易く、かつ元気にアピールしていた。
特に、「環境問題」は各社とも力を注いでおり、技術力・開発力を駆使してチャレンジしている様子がうかがえた。既にその成果として世に続々とお目見えしているHEVやFCVからは、不可能が可能になりつつあることを感じた。
|